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A Bit Shot
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2007
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7.8 蝶のいのち
4.13 生命循環
2006
12.17 微生物は自然の強者
12.10 生命の力そして危機
12.4 葉からクローン

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生命循環
2007.4.13
シンペトルム・フレーケンス*が、ボツロゴニア・フェルギネア**を捕食。学名だと改まった、ちょっと厳かな感じがする。自然界ではトンボが虫を捕ってバリバリ食べるなどは当たり前のことだ(実際に音がする)。それをビルばかりの都市部で目にするからちょっと楽しい。完食まで10分足らずの出来事。(2005年9月27日撮影)
ツマグロオオヨコバイはウンカともいい、植物を食べる。畑やたんぼに限らず、都市部でも植込みなどによくいる。やや小型のツマグロヨコバイも同様。往々にして農業生産地で大量発生し、さかんに作物を食い荒らす。いちおう害虫の部類に入る。こちらはよく出会うが、アキアカネがこれを捕らえているのにはさすがに目を見張った。まずは首根っこを押さえるのに格闘。
地面では、背中から2本の前足と口で押さえつけて羽交い締めにし、頭部 (正しくは胸部) の硬い部分と胴体 (腹部) を切り離し始める。そうすれば抵抗されることがない。動かなくなったら、キャベツの葉の上端まで運び、ゆっくり胸部の付け根を噛み切る。この時、バリバリとすごい音がする。すごいがうまそうな音でもある。トンボは強靭な筋肉を持っていて、飛ぶ時は毎時100kmに及ぶらしい。
昆虫の体は主にキチン質でできている。キチン質は多糖類の一種のキチンとキトサンの総称。水には溶けず酸に溶ける。トンボに消化されても糞には成分が残り、地上にばらまかれる。鳥もまた虫を捕らえる。土壌にはキチン質を食べる微生物がいて、キチナーゼ、キトサナーゼとよばれる酵素を出して分解する。この酵素は、同じキチン質やセルロースでできている病菌や虫の細胞を溶かす。
この理屈は農業分野で利用されており、当サイトでも10年近く前に記事を出した。病害虫と天敵の関係はじつに複次的に自然界に作用し循環する。そして作物がみのり、人はその恩恵を受ける。しかし、このトンボ君、ポロリととれた頭部と羽には見向きもせず、胴体部分をむしゃむしゃと旨そうに食べる。そう見える。キチン質の中は高タンパク。そして、とれた頭と羽も土の中で溶けていく。

*アキアカネ:トンボ科(Libellulidae)学名 シンペトルム・フレーケンス Sympetrum frequens、ラテン語発音 スィムペトゥルム・フレークゥェンス、英語発音 スィムペトゥラム・フリーケンス。
**ツマグロオオヨコバイ:ウンカ。
ヨコバイ科(Cicadellidae)学名 ボツロゴニア・フェルギネア(Bothrogonia ferruginea、古典ラテン語発音 ボトゥロゴニア・フェッルギネア、英語発音 ボスロゴーニア・フェルージニア)

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