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11.15 竹の意志
7.8 蝶のいのち
4.13 生命循環
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12.17 微生物は自然の強者
12.10 生命の力そして危機
12.4 葉からクローン

ある光景 TOP
竹 の 意 志
2007.11.15
タケはイネ科の多年草(タケ亜科を設定することもある)で、開花は数年~数十年に一度とされ、基本的には、開花すると地下茎でつながる株は一斉に枯れるとされる。これは一回結実性といい、一度有性生殖を経験すると(=花が咲き種子ができると)その株が個体としての生命を終えることをいう。一年生草本は毎年これを繰り返すが、栄養生殖で増殖また越冬する多年草の場合、特に一回結実と呼ぶ。この画像は開花後に起こったことを捉えたもので、開花そのものではない。
桿(かん=竹の茎)の形、節間の溝、枝数などから判断するに中型のメダケ属かカンチク属の類いと思われる。枯れているので桿の色が判別がつかない。ともかく1カ所から数百本の桿が発生している姿は通常ではありえない。株立ちになるホウライチクは熱帯性。発見された福岡(海岸近辺の古い林)の冬の寒さでは越冬できない。桿の太さからしてもホウライチクではないし、短期間に数百本発生することはまずない。
この現象は今年初めて起こった。近隣の人々もある日気づき、不思議がっていたらしい。少なくともこの10年ぐらいは出現していなかったものだ。通常であれば、竹は地下茎を張り巡らし、数年でそれなりの竹林になる。しかしここでは、この場所だけに密生し、あたりには生え出ている桿が見当たらない。これがある特定の竹の習性でないとしたら、同じことが世界のあちこちで起こっているなら、我々はそこから何か重要なことを悟らなければならない。
いわゆる常識的には、異常気象や環境の変化で何かの異変が起こったと解釈せざるをえず、それ以上のものではなくなる。だが、ここからは新しい生命への転換と変革への意志が伝わる。短期間のうちに1株の竹はこれまでに増殖し、開花し、枯れ、新しい生命を宿した。前回のキアゲハも同じだが、植物もまた世界の変化に応じて自らの構造を変化させる能力をもっている。そして、そんな能力など自分たちにはないという思い込みによって、まさに、人類は無能な存在であり続けた。
桿の先の枝の先に咲いた花はただ枯れただけでなく、その中で種子は発芽し、すでに次の世代が生まれ育っている。やがてこれらが大きくなれば、脱落して個体として根付くだろう。もし、昨年、同様なことが起こり、今年いっきょに桿数が増えたのだとしたら納得できる。しかしそれならば、すでにこの竹は多年草という過去の遺伝子情報に頼らず、新たな生活形態を選択したことになる。いずれにせよ、竹は世界の何かの推移をキャッチし、新しい世界での生き方を目指し、DNAの必要な情報を継承しながらも変革させる高度な能力を発動したことになる。
竹の発芽のサンプルを採取した日の前日、福岡の天気予報は快晴であったにもかかわらず、比較的地上近くは、どす黒い、幾筋もの分厚い雲の異様な連なりに覆われていた。筆者は飛行機でこの雲をかいくぐって地上に降りた。着陸前、機内では乱気流が告げられた。雲に突入した途端に筆者だけでなく、機内中の人々が咳き込んだ。その直後、筆者は福岡の灰色の空気を目にした。それから数日、脱力感と気力の喪失感を伴う、あたかも風邪のような症状に少し苦しめられた。
枯れたおびただしい数の竹とその子孫に出会い、自然の力に導かれて生まれ変わろうとする意志に触れたとき、筆者は、我々人間が同様に自然に同調し、自らを変革させようとするのを、何かが妨げていると感じざるをえなかった。それはひょっとすると、地球上の生物の生命の変換と向上のすべてを妨げようとしているものかもしれない。我々は、誰がそれに力を貸しているのか、そして、我々自身もそれを助長してはいないか、正確に見極める必要がある。
撮影:2007.10.20 午前8時18〜21分 携帯電話/11.5 スキャン
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