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2013年5月にタイトル変更しました。過去の記事では「A Bit Shot」となっているものがあります。
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12.17 微生物は自然の強者
12.10 生命の力そして危機
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恩 恵
2013.12.20
 今年(2013年)は、当地ではどこも葉モノの出来がよくなかったと聞く。特に白菜──春からの乾燥に加え、夏の高温、さらに、秋口には霜が降りるかと思われるような急激な気温の低下に見舞われた。
 白菜は播種のタイミングが難しい。あまり早すぎても気温が高すぎて種子が腐って発芽しない。発芽しても立ち枯れたり、融けてなくなることもある。
 当地では8月上旬が白菜の播種時期のようだ。お盆過ぎの夜間は寒いくらいなので、播種が遅れると生育が追いつかず結球しにくくなる。
 播種方法は点播きの直播きとする。これは少しでも生育が鈍るタイミングを回避するためだ。
 今年も、お盆頃から夜の肌寒さを感じるほどだったが、太陽の光はこれまでになく強く、日中はやけどしそうな、焼け付くような暑さとなった。もちろん、太陽光の影響で地表も焼けるように熱くなる。この状態で水やりすると、種子は茹だって死んでしまう。また、少しでも根が出ると、種子は極端に乾燥に弱くなり、ほんの一時的な土の乾きでも種は死ぬ。8月はとても種まきなどできそうにもない日々だった。(今振り返ると、8月は、日陰でポット播きにして、予備の苗を作っておくのがよいだろう。)
 私は、9月1日と5日に播種した。これは当地の日程よりは遅いが、私としては早めだ 。このとき同時に、しゃくし菜、タアサイ、冬菜、高菜なども播いた。これらはいつもより早めである。昨年は10月初頭に播き、これがまったく遅すぎて、生長しきらなかったからだ。
 野沢菜は9月23日に播種したが、これは遅めだった。

 低温に見舞われたのは、9月中旬以降、播いた種が発芽し、苗が育ってきた頃だった。
 9月17〜19日は最低気温が8.0〜8.8℃と10℃を下回る冷え込みとなった。しかしながら、太陽の光はまさに強く、その高い波動と大気物質や大地との摩擦熱のゆえであろう、日中は最高気温がほぼ25℃を超える(24〜26℃)夏日だった。その後も、最低気温が約10℃という低温に対し、最高気温が夏日である25℃以上という日が数日続いた。
 さらに、27、28日の最低気温は6℃台と、降霜寸前。しかし、これも最高気温は20℃を超えており、太陽光が直射する地表の温度はもっと高いはずである。
 低温のあとに真夏のような暑さが来る、この落差のある、低温と高温の去来──これはまさに、春先に見られる抽台(注)(ちゅうたい)の条件に似ていると直感した。抽台が始まると、開花に備え、葉の増加・肥大生長は止まり、節間が伸び始める。そして、全体が強固になっていく──すなわち硬くこわばって、葉菜として食用に供しがたくなる。
 この予測は当たり、しゃくし菜、タアサイ、冬菜の一部の節間が延び始め、抽台が始まった。
 やがて、真夏のような暑さは去り、気温は冷涼ぎみに安定してきた。昨秋よりもやや温暖な日が続いているようだ。これは気温よりも、太陽からもたらされるエネルギーの変化──じつは多くの人々が実感しているはずだが──によるものではないかと思う。
 白菜は抽台こそ起こらなかった。しかし、生育が鈍ったのには、抽台を引き起こすような、落差のある気温変化の繰り返しが関与していると私は思う。今年、当地のあちこちで白菜の出来がよくなかったのも、そのような事象に基づくものではないだろうか。
 このような異変が、まったくの自然現象によるものか、あるいは、人為的また恣意的な何らかの操作の所産であるのかを解明するのは容易ではない。おそらくはその両方が関係しているはずだ。そして、やはり、その両者を含めたあらゆる事象が、宇宙的な重要な手続きとして、この現象界で進んでいると思うに至る。
 私たちは、このような気象現象や農事のできごとからも、太陽系の進化の一環として、この地球も、進化のための最終過程を歩んでいる事を、素朴な心と鋭敏な感性によって認識せざるをえなくなるだろう。それは、あの、太陽光の、かつてないような、より澄明で異質な強さを感じれば、事は明らかなはずだ。

 漬物にする保存用の白菜は、年内の収穫が望めなくなった。慣行的にはこれを「害」と認識する。
 ところが、白菜は翌春に出てくるトウが、やわらかく甘く、おいしい。サラダで生食しても、おひたし、浅漬けなどで食べてもおいしい。スーパーなどの一般市場に出回ることはないが、地域の農産物直売所のようなところで季節になると出る。
 当地のような高原地域では春先の野菜が少ないので、トウは貴重な野菜となる。したがって、年内に結球できなかった白菜も、大切に育てる。トウが食べられるのは白菜だけではない。冬菜は言うまでもなくトウを食べる野菜であるし (かき菜、あぶら菜などと言う場合もある)、小松菜、野沢菜などアブラナ科の野菜の多くは春のトウがそれぞれにおいしい。

 さて、白菜の年内収穫はできなくなった一方、同時期に播いたしゃくし菜、タアサイ、冬菜、高菜が秋〜冬の野菜として食べられるようになった。いずれも一部の株がトウ立ちしはじめたので、それらが硬くなりすぎないうちに、急ぎ収穫した。これが程よい間引きとなった。というより、これは、間引きをしなさい、との、天の采配、天の導きであったと思えてならなかった。
 その後、生育の中断をなんとか乗り超え、青菜たちは育った。一時は、抽台で全部ダメになるかもしれない、と気をもんだこともあったのだ。
 最低気温が、霜の降りる4℃を下回ったのは10月27日が初めてで、昨年より10日遅かった。
 11月に入ると、中旬からは氷点下を下回ることも多くなり、寒冷期に入っていく。それでも昨年より暖かい日が多い。なにより、前述のように太陽が強く、光をたっぷり浴びる日が多かったのがありがたかった。なかでも、しゃくし菜が大きく育ってくれたのがよかった。昨年はあまり育たず、春までもたなかった。残念な思いをしただけに、今年は助かった。
 よく育ったしゃくし菜は、陽をよく浴びながら、霜にもよく当たった。その寒さで、軟らかさと甘みを増していく。
 12月に入ると、地面の凍結が始まる。あまり寒くなっても、葉の傷みが目立ってくるので、ぎりぎりのところで収穫する。
 今年は12月1日に収穫した。写真はそれを洗って整えたもの。大きいものは40〜50cmある。
 自家栽培での結球白菜の漬物は叶わなかったが、この冬はしゃくし菜を保存用に漬けることができた。約6kgは自家消費で一冬分である。

 どんな状況、どんな現象下にあったとしても、状況を受け入れ、静かに耐え、鋭敏に学び、日々心に浮かぶことを虚心に天に祈るなら、恩恵と感じられる事柄はごく身近に起こっている、そこに天の大愛がかならずある──そのようなことが、この豊かな収穫物から、心の奥深いどこかで感じられた。

2013.12.10掲載、12.17、12.19、12.20 更新

(注)抽台(ちゅうた[だ]い)。元来、抽薹と書く。薹はタイ、ダイ、トウと読み、アブラナ、スゲ、ハマスゲなどの意味もある。特に、トウと読む場合は、植物の中心より立つ花茎を意味する。抽薹は花茎をひきぬく、すなわち、花茎が立つことの意味。「薹」が常用漢字にないため「台」の字を当てて「抽台」と表記されている。

*気温は気象庁の公式発表による河口湖所轄の観測所によるデータを用いた。筆者の当地実測では1〜2℃低いことが多い。

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